富山市呉羽を車で通ると、いたるところに幟が立つ。「朝乃山 がんばれ!」。出身地だけあって、みんなが応援しているとうれしくなる、私もファンの一人だ。
それでも、2020年1月25日に北日本新聞の1面トップに「朝乃山 勝ち越し」と出たときには驚いた。確かに連敗が続き、負け越しにならないか心配していた矢先、前日は勝ったので胸をなでおろしていた。だが、1面トップはどうなんだろうと思った。知人に聞くと、「中にも『日刊 朝乃山』が折り込まれているし、1面最上段にも写真がある。重複が多くて紙面の無駄遣いじゃないか」とその人は言った。「スポーツ紙じゃないんだから…」という人もいた。ファンは喜んでいるのだろうか。
一面トップに置かれる記事は、一般的に見逃してはならない重要な記事と考えられている。みんな朝乃山を応援していて、そういう地域の関心を反映しているから地方紙はトップに据えたのだろうか。もしくは、もっとニュース価値の高い、報道すべき出来事がなかったのか。
そして、2月12日、朝日新聞大阪版は、「野村克也さん死去」をトップで報じた。野村さんは野球人として殿堂入りするなど大きな功績を認められて
いる人だからいいのか。
オリンピックが近づき、これからはスポーツ関連記事がトップや大きな記事になることが多いと思う。そのために政治的・社会的に影響の大きい事柄の記事が隅に追いやられるかもしれない。気づかないということがないように注意して読もうと思う。
(2月Opinion / 文責:堀江節子 )
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