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コロナ禍で浮き彫りになった女性の貧困

 ―女性が隠される見出し―



 この春からのDV、ひとり親、育児、子どもの貧困、休校、在宅ワーク、時短・解雇、自殺、高齢者、性暴力などの記事を拾ってみた。女性と明記されないためにジェンダーの問題だと気づきにくいが、コロナ禍において、通常見えにくい「女性差別」が噴出した。新聞は社会の鏡だといわれる。北日本新聞を中心に富山における女性の貧困状況を探ってみる。

休校の影響 2月27日、安倍首相は突然学校の臨時休業を要請した。従来、家事、ケア、非

正規・短時間労働で収入の一部を担っている女性がケアや昼食の準備ために仕事を休むことになった。さらに、男性の在宅ワークによって家族内の問題が顕在化した。

4月27日 「10万円」DV被害者に届く? 個別給付申請30日まで(毎日新聞)

DV被害者の多くは女性、世帯主は男性である。受給権者が世帯主となっており、「避難しているDV被害者には届かない」との指摘で政府は避難するDV被害者に個別に給付できる仕組みを設けた。個人向けの給付金なのに世帯主にまとめて支払われるのが問題との指摘。

6月1日 ひとり親家庭直撃 県内コロナ不況 派遣切りにあった 家賃が払えない

 ひとり親=シングルマザー世帯を支援する県内NPO法人に相談が寄せられる。給食がなくなって昼食代が家計を直撃した。インターネット環境になく休校中オンライン教材を利用できない、頼れる人が少ないなどの現状が浮き彫りになった。このNPOは食品配布会を行った。

7月2日 生活保護申請25%増 非正規労働者の56%が補償を受けていない 

都市部で4月の生活保護申請が増えた。県内でも申請数が増えているが、「水際作戦」で申請できない例もある。休業やシフトの変化で非正規労働者(女性パート)の収入が減っているが、56%が休業補償を受けていない。宿泊・飲食業の影響が大きいなか、従業員の多くは女性。

11月25日 県内 10月の自殺4倍 27人 増加率全国ワースト

 県内の自殺は10月時点で182人となり、すでに2019年の計176人を上回る。29日社説で、7月以降女性の自殺の増加が目立ち、失業、DV被害、育児の悩み、介護疲れなども深刻化したことが自殺の増加につながり、8月は中高生の自殺も前年同月より増えた。

子どもへの性暴力 地方紙では被害者が特定される恐れがあり少ないが、朝日新聞はこの

特集を断続的に行っている。父親による性暴力やコロナ禍で家での居場所を奪われた少女を性的な目的で泊める大人の存在(2020年11月30日)、性の商品化などについて連載中である。

高齢女性の貧困 女性の低賃金はそのまま高齢期の低年金となる。概して、少ない年金を黙

って遣り繰りするので見えづらい。高齢者施設のクラスター感染者の多くは女性?

●「コロナが明けたら美人さんがお嬢やります」 4月に岡村隆史がラジオ番組で発言、批判を浴びた。発言通り多くの女性(シングルマザー)が性風俗の世界に入ったとのネット記事多数。

エッセンシャルワーカーといわれる看護、介護のケア労働者もまた女性が多い。こうして書き出すときりがなく、この先も続くのか…。


-貧困をはじめとするジェンダーの問題が顕在化するなか、第5次男女共同参画基本計画のパブコメには5700件もの意見が寄せられた(9月9日・共同)。「管理職登用目標先送りに批判も」とのサブの見出しは、コロナで悪化した女性の状況を好転させるには、政府や地方自治体、報道機関を含む企業などの女性管理職の割合を増やすことが必要だと言っている。           (12月オピニオン /文責:堀江節子)

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