top of page

もっとしたたかで、自由であってほしい~メデイアで働くみなさんへ~

 マスメディアは人々への影響力が大きい分、様々な圧力を受けがちだ。しかもマスメディアの多くが民間資本による株式会社だから、広告主や視聴率、購読者数を気にしながらの番組作りや新聞づくりが行われているのが実態だ。

 しかしその結果として、テレビでいえば本来多くの人に伝えるべきドキュメンタリー番組があまり放送されず、放送されても深夜の視聴者も少なくなるような時間帯で放送されており、一方で今起きている社会の現実から目をそらすようなクイズ番組やバラエテイ番組が最近ゴールデンタイムを中心にことさら数多く放送されているのが実情になっている。ニュース報道では行政や企業の広報機関かと揶揄されることが多い、当たり障りのない批評性を欠いた断片的事実報道が多くを占めていまいか。

 もちろん、そういった番組が放送され、新聞が届けられる日々の中でも、外部の者が計り知れない、個人的、時には組織的な良心をかけた現場でのたたかいがあるのだと思う。

 時々目にし、これはと、知り合いに紹介したくなる記事や番組に出会うことができるのは、まさに、メディア現場というミクロポリテックスでのたたかいの成果なのだろう。


 だけれども、どうしてもこえられないものがある時には、所属しているメデイアを離れて、志を同じくする仲間とともに新たなメデイアで私たちに自由に伝えてほしいと思い始めている市民が大勢いるのも知ってほしい。(この離れるというのは、勤めらながら就業時間後アフター5、あるいは土日の休みを使って、という意味だ。これなら生活の心配もない。企業や会社員という制限から自由な『運動としてのメデイア』のススメというべきなのかわからないが。今ネット社会の進展がそれを容易にしているのは事実だ)

 検察庁法改正問題がTwitterなどで大きな話題になる中で、既存メデイアでは放送されない与野党の国会議員をそろえた討論番組を連続配信し、俄然注目を集め出した「Chooselife Project TV」(注1)。報道やドキュメンタリー番組を作るディレクターや監督らで運営している「テレビ報道の限界を感じ、ニュースで伝えられないものを取り上げ」(注2)るために作られたネットメディアグループだ。

 私たち市民は、メディア内の記者や番組制作者の良心をかけた活動だけでなく、既存メディアの外での創意に満ちた取り組みにもできるだけ支援協力していきたいと思っているし大きな期待を寄せている。富山の場合は、メディア現場におけるたたかいは見えにくいが、これからもジャーナリズムを支える情報の受け手としての一方の当事者意識を持つ、読者であり視聴者でありたいと思っている。

                        ( 6月Opinion/文責: 大島俊夫)

(注1)Chooselife Project TVのyoutube一覧から


(注2)出典…毎日新聞2020年5月7日『ネット番組「速さ」で存在感 検察定年延長問題』

閲覧数:4回0件のコメント
bottom of page